27年ほど前、愛知県の中学校で「いじめ」を受けた生徒が自殺する事件が起こった。
家族は「いじめ」があることに気づかなかった。
住宅メーカー大手・積水ハウスの営業・設計として、いろんな家族を見続けてきた梶原は、家族が子どもの「いじめ」に気づかなかったのは、家の間取りにも関係があるのではないかと考えていた。
間取りを変えることで、日々、自然に親子がふれあう住まいにできないか——。
それまで子ども部屋のある2階に上がる階段は、玄関付近に設けるのがほとんどで、外から帰ってきた子どもが、家族に顔を会わせることなく自分の部屋に入ることができていた。
「ここに問題があるのではないか?」そんな発想から思いついたのが、リビングルームに2階への階段を設ける「リビング階段」である。
こうすれば、子どもが階段を上下する度に、自然に親と顔を会わす。言葉を交わす機会も増える。家族が子どもの変化に気づきやすい、コミュニケーションあふれる住まいにすることができる。
この考え方は、積水ハウス梶原時義の「リビング階段のある家」の開発にはじまり、同社はもちろん、他メーカーにも支持され全国に広がり、今や日本の一戸建て住宅のスタンダードプランとなっている。
日本の「住宅の住まい方」を変えた梶原が
今、松山市政を大きく変えています。